こんにちは、おざたろうです。
“VESPERBELL 2nd ONE-MAN LIVE 「RUMBLING」”(以下、「RUMBLING」)についてまとめます。
- 概要
- 背景
- 現地の様子
- セットリスト
- 終わりに
概要
- イベント名:VESPERBELL 2nd ONE-MAN LIVE 「RUMBLING」
- 日時:2025年1月16日(木) 19:30~21:00
- 形式:渋谷Sportify O-EAST、オンライン(Z-aN)
背景
「RUMBLING」開催発表までの経緯
「RUMBLING」は、VESPERBELLと同じくRK Music所属のKMNZとの2DAYSライブの形式で開催された現地ワンマンライブです。
VESPERBELLにとって「RUMBLING」は2度目の現地ワンマンライブであり、2023年6月に実施された、VESPERBELL初の現地ワンマンライブである「RAMPAGE」からおよそ1年半の時を経ての現地ワンマンライブとなりました。
「RUMBLING」の開催は、2024年11月10日に実施された「VESPERBELL 3D UPDATE LIVE【重大発表アリ】」にて発表され、前回の「RAMPAGE」が大成功に終わったこともあり、発表時にはBELLSが大いに沸きました。
会場の規模で見れば、「RAMPAGE」は収容人数500人程度のharevutaiでの開催だったのに対して、「RUMBLING」の会場であるSportify O-EASTはおよそ1,300人と、約2.6倍の規模となりました。
このことからも、「RAMPAGE」からの1年半でのVESPERBELLの成長が見て取れます。
また、「RAMPAGE」はファンからの資金を募るクラウドファンディングを実施することで実現させましたが、「RUMBLING」ではクラウドファンディングを実施することなく、自力での開催となった点も「RAMPAGE」からの大きな変化でした。
KMNZとの2Daysライブとコラボ企画
先述の通り、「RUMBLING」は、KMNZの現地ワンマンライブである「KMNZ 3rd ONE-MAN LIVE「KMNCULTURE」」との2DAYSライブの形式での開催となりました。
〈2DAYSライブ スケジュール〉
KMNCULTURE(KMNZワンマンライブ):2025年1月15日(水)
RUMBLING(VESPERBELLワンマンライブ):2025年1月16日(木)

また、VESPERBELLとKMNZがお互いのライブにゲスト出演することも事前に発表されていました。
それに加え、ライブ前には、ライブを盛り上げるべくVESPERBELLとKMNZのコラボ企画が数多く実施されました。

VESPERBELL、KMNZコラボ企画①[コラボカバー]
VESPERBELL、KMNZそれぞれのチャンネルから2本ずつ、合計4本のコラボカバーが投稿されました。
- 天国と地獄 / KMNZ NERO × VESPERBELLヨミ(@KMNZ Channel)
- 劣等上等 / KMNZ TINA × VESPERBELLカスカ(@KMNZ Channnel)
- Beyond the Way / VESPERBELL × KMNZ LITA(@VESPERBELL Channnel)
- アンノウン・マザーグース / VESPERBELL × KMNZ(@VESPERBELL Channnel)
VESPERBELL、KMNZコラボ企画②[コラボ配信]
コラボカバーと同様に、VESPERBELLとKMNZのチャンネルにてそれぞれ2回ずつ、合計4回のコラボ配信が実施されました。
このコラボ配信ではVESPERBELL、KMNZそれぞれへの理解を深められると同時に、ライブの最新情報についての内容も含まれており、非常に見応えがありました。
これに加えて、以下のようなコンテンツでもコラボが実現しました。
・2024年12月25日のKMNZクリスマスにVESPERBELLがゲスト出演
・ヨミとNEROのコラボ配信
数多くのコラボ企画によってVESPERBELLとKMNZが力を合わせて盛り上げ、ライブ当日を迎えました。
現地の様子
先行物販
前回のワンマンライブの「RAMPAGE」との違いとして、「RUMBLING」では現地の物販がありました。
会場前の先行物販では、15時頃には列形成が始まっており、期待に胸を膨らませたBELLSがグッズを購入するために続々と集結しました。
また、物販開始の時点で会場入口にはフラワースタンドが設置されていました。
「RAMPAGE」と同様に、今回もファン有志によるフラワースタンドが作成されました。

また、こちらも前回同様に、”海色”や”ANIMA”など、VESPERBELLのカバー動画のイラストをこれまで何度も手がけてきた入河さんが個人で出されたフラワースタンドもありました。

さらには、VESPERBELLのオリジナル曲である“To the World”や”RAMPAGE”の作曲や編曲を手がけたElements Gardenからもフラワースタンドが贈られていました。
このように、これまでVESPERBELLの活動で関わりを持ってきた方との繋がりが確認できるのもファンとしては嬉しくもあり、誇らしくもあります。

さらに、VESPERBELLが所属するWarner Music Japanからのフラワースタンドも見られ、2024年よりメジャーデビューを果たしたことを改めて実感させられました。

入場前
予定通り、ライブ開演1時間前である18:30から入場が開始されました。
前日に実施されたKMNZのワンマンライブではプレミアムチケットの1~100番がまとめて入り口手前に呼び出され、呼び出された先で番号の順番に会場に入っていく流れでした。
これによって現場は多少混乱していたようにも見えましたが、「RUMBLING」では入り口手前への呼び出しの時点で番号順となっており、比較的スムーズな入場となりました。
入場後
自分の番号が呼ばれ、会場に入場してまず目に入ったのは、巨大なスクリーンに映し出された、特徴的な造形をしたスピーカーなどの音響器具でした。
「RAMPAGE」(2023年)でのあらゆる方向に動き回るステージライト、「4周年記念ライブ」(2024年)での空中を飛んで異動するステージ、「新衣装お披露目ライブ」(2024年)での荒廃した未来都市のようなステージなど、これまでのVESPERBELLのライブでも近未来を感じさせるステージが大きな特徴でした。
今回のステージでも、中央のスピーカーから露出したコードは退廃的、かつ近未来的な雰囲気を感じさせ、さながら”ignition”のMVの世界観を彷彿させます。

思えば、「RUMBLING」のキービジュアルはヨミとカスカの背後に巨大なロボットの拳が描かれています。
また、現在のヨミとカスカの衣装を見ても、光る装飾やスマートなシルエットなど、やはり近未来的な印象が強いことからも、VESPERBELLが描きたい世界観が過去から一貫していることが分かります。
圧倒的な存在感を放つこのステージを前にしたBELLSは期待と緊張の両方を抱きながら、ライブの開演を今か今かと待ちわびていました。
セットリスト
今回のライブのセットリストは以下の通りです。
KMNCULTUREゲスト出演
- アンノウン・マザーグース
RUMBLING
- 鳴動
- Hurt
- ignition
- Noise in Silence
- 羽化
- Trust Me
- EX MACHINA
- RUMBLING MEDLEY
- RISE feat. KMNZ
- Imperfect
- Bell Ringer
- VERSUS
- To The World
- Eclipse
- RAMPAGE(KSUKE remix)
KMNCULTUREゲスト出演:アンノウン・マザーグース
先述の通り、VESPERBELLは「RUMBLING」の前日に開催された「KMNZ 3rd ONE-MAN LIVE「KMNCULTURE」」にゲスト出演していました。
このライブを迎えるまでの間、何度もコラボを繰り返してきたKMNZとVESPERBELLでしたが、5人そろっての現地での生歌披露はこの場が初でした。
KMNZのTINAの合図に合わせた会場全体からの「VESPERBELL~!」の呼びかけの後、ステージ横から出現した「VESPERBELL」のロゴがあしらわれた電車に乗ってVESPERBELLが登場し、会場は歓声に包まれました。
この電車で登場する演出の時点で、KMNZのストリート感とVESPERBELLとの融合が見て取れました。

電車から登場したヨミとカスカは、初めて降り立ったケモノストリート(ケモノたちが暮らす、所謂KMNZのホームタウン)に謎に怯えていた様子でしたが、KMNZに温かく迎え入れられて明るい笑顔を取り戻しました。


5人そろっての初めての現地ライブ。
この状況で5人が選んだ曲は、”アンノウン・マザーグース”でした。
”アンノウン・マザーグース”は、合計4本投稿されたKMNZとVESPERBELLのコラボカバーのラストを飾った、5人全員でカバーした唯一の曲です。
高音とハイテンポが特徴的なこの曲を現地ライブで歌うことの難易度は計り知れませんが、歌声を聴いた瞬間に5人の歌唱力の高さを思い知らされました。
自慢の高音を武器に、己の土俵で自分らしさを出し切るカスカとTINA、音域の広さを見せつけたヨミとNERO、力強さと繊細さが織り交ぜられた唯一無二の歌声を披露したLITAと、各々の良さが輝きました。

特にカスカは、まっすぐに通る高音が非常に美しく、「ライブでこの歌声を出せるのか」という圧巻の存在感と歌声でした。

ヨミの安定感も際立っており、5人に安定感をもたらしていました。
そして何より、会場全体で「WOW WOW」のフレーズを歌った時の会場の一体感には強い感動を覚えました。
KMNZとHZ(KMNZのファンの呼称)の強い絆が表れていたのと同時に、その空間にVESPERBELLとBELLSも入れているという状況には音楽の可能性を感じました。

5人全員で”アンノウン・マザーグース”を完璧に歌い上げ、盛大な拍手に包まれながらVESPERBELLはステージを後にし、無事にゲストとしての出番を終えました。

1曲目:鳴動
KMNCULTUREへのゲスト出演から一夜明け、いよいよ「RUMBLING」が開演しました。
まず、暗転したステージには以下のメッセージが映し出されました。



このメッセージを日本語に訳すと、おおよそ以下の通りとなります。
私たちは新たなステージに向かって走り出す。
私たちの魂の叫びが聞こえるか?
あなたはついて来られるか?
いや、そんなことは聞くまでもない。さあ、飛び込もう!
準備はOK?
常に更なる上のステージに向けて走り続けるVESPERBELL、魂からの歌声を世界に届けるヨミとカスカの姿、そしてその二人について来いという、ファンの闘志を沸き立たせる挑戦的なメッセージは、実にVESPERBELLらしい内容です。
どこか”RAMPAGE”の歌詞を彷彿させる内容ですが、実はこのメッセージ、2024年11月10日に行われた「新衣装お披露目ライブ」の告知画像の左上にもさりげなく記載されていました。
このメッセージが、VESPERBELLの活動スタイル、さらに言えば、スローガンのような位置づけなのかもしれません。
盛大な演出の直後、ついにヨミとカスカが期待に沸き立つBELLSの前に登場しました。
ステージの中央で光る二人のシルエットに神々しさすら感じた次の瞬間、ステージが明転し、すさまじい音圧の二人の歌声とバンドサウンドが会場を包み込みました。

ライブの開幕を告げる一曲目は、”鳴動”でした。
ヨミとカスカによる、「渋谷ー!今日は死ぬ気で声出せよ!!」「全員死ぬ気でかかってこい!」という煽りで、会場のボルテージが一気に上昇しました。
煽り以外にも、Aメロでのクラップ、間奏での「おい!おい!」へのエスコートが巧みで、およそ1000人の観客を見事に束ねる圧巻のステージングでした。

前回の「RAMPAGE」では、二人からは緊張の雰囲気が伝わってきましたが、「RUMBLING」では開始から緊張を一切感じさせない堂々としたパフォーマンスでファンを圧倒しました。
特に、VESPERBELL最大の特徴ともいえる二人のハモりが最初から絶好調で、この一曲だけで「RAMPAGE」からの二人の成長と、このライブに向けたすさまじい練習量が伝わってきました。
最初から最後まで隙のない完璧なパフォーマンスで、「メジャーアーティスト」としての自らの価値を見事に証明してみせました。

2曲目:Hurt
”鳴動”で作り出したアツい雰囲気の中で、次に歌われたのは”Hurt”でした。
“Hurt”は、クラップと拳でノりやすく、これまでも何度もライブで歌われてきました。
ヨミとカスカによる「いくぞーー!!」という煽りで、観客は大声をあげながら拳を突き上げ、素晴らしい熱気が会場を包みました。

次いで、クラップへの切り替えもVESPERBELLとBELLSで見事にそろえることができ、ヨミとカスカ、そしてBELLSが一つになって全力で盛り上がりました。
ヨミとカスカの煽りやエスコートのお陰で、拳を上げるところ、クラップするところ、声を出すところが分かりやすく、会場にいた全員が迷いなくノることができたように感じます。

そして”Hurt”の特徴である、サビの終わりのロングトーンのクオリティも完璧でした。
このロングトーン含め、ヨミとカスカの勢いのある歌声が終始会場を包み込み、特にラスサビでは二人の歌声が見事に調和し、突き抜けるような力強さが生まれたのが実に印象的でした。

さらに、これまでのライブでも行っていたように、今回のライブでもラスサビの直前にヨミとカスカが一瞬目を合わせるシーンも見られ、ファンとしては非常に胸が熱くなるポイントでした。

3曲目:ignition
2曲目までの勢いのままに、3曲目に二人が歌ったのは”ignition”でした。
直前までの爆発力のある盛り上がりから一変し、静かに心の火を灯すような曲の入りの中で、観客である我々も心の中で闘志がさらに漲る感覚を覚えました。
直後、ヨミとカスカによる「声出せー!行くぞ!!」の声を合図とするように、会場の全BELLSが漲らせた闘志を一気に解放させ、声を上げて拳を上げました。

一体感に満ちた会場の中で、ヨミとカスカは“ignition”を歌い続けます。
ライブで“ignition”を歌唱するのは「RAMPAGE」以来でした。
「RAMPAGE」での”ignition”のクオリティも素晴らしかったのですが、今回のクオリティは当時を上回り、「VESPERBELL史上最高の”iginition”」であったように感じます。

まず、ブレスの質が格段に向上していました。
ブレスのタイミングが「RAMPAGE」の時よりも適切であり、これによって歌声の安定感が向上していました。
また、サビでハモりを歌っていた点も「RAMPAGE」との非常に大きな違いでした。
”ignition”は、サビの「火を灯す 青い願い」の部分などでのヨミとカスカのハモりが美しく、二人の声の相性の良さを存分に生かせる曲です。
ところが、「RAMPAGE」ではこの部分をメインのみ歌っており、ハモりは音源を使用していました。
それに対して、「RUMBLING」ではカスカがメインの時はヨミが、逆にヨミがメインの時はカスカがしっかりとハモりを歌っており、二人の美しいハモりを生歌で聴くことができた点が大きな感動でした。

また、ハモりではどちらが主張しすぎるということもなく、二人が同等の存在感を放っており、デュエットとしての完成度がこれまで以上に高かったことも印象的でした。

MC①
3曲を歌いきったところで、一度目のMCを挟みました。
「VESPERBELLのヨミとカスカです!」といういつもの挨拶と観客からの大歓声の後に、普段はBELLSに厳しいヨミからの、「さすがですねBELLS、仕上がっていました」という、珍しいお褒めの言葉がありました。
前回の現地ライブである「RAMPAGE」では、ヨミからの「声が小さい」という(冗談半分で)厳しいコメントを受けていたこともあり、今回のお褒めの言葉を受けて会場は安堵の空気感に包まれました。

その後のヨミの「(この後もぶち上げる)準備できてますか」に対するレスポンスの声量については、「後ろの方、もっと声出せるんじゃない?」と鋭い指摘がありましたが、改めてカスカが同様のコールアンドレスポンスをしたところ、「やればできるじゃん」というお許しの言葉をヨミからいただくことができました。(これを受けて、カスカも「あ、よかった」という安堵の一言でした)
どうやら、「RUMBLING」でBELLSは「RAMPAGE」以上の声量を出せていたようです。
そのようなやりとりがあった後で、ライブは4曲目にに移りました。
4曲目:Noise in Silence
4曲目に歌唱されたのは、VESPERBELLのメジャーデビュー曲である”Noise in Silence”でした。
曲が始まった途端、ヨミの儚げな表情の美しさに目が吸い寄せられました。
旧衣装では表現しきれなかった細かい表情まで反映されるようになり、「ヨミとカスカがどのような表情で歌っているか」がよく分かるのもファンとしては嬉しいポイントです。

“Noise in Silence”は今回が現地の生歌としては初披露でした。
曲調的にも、ヨミとカスカからクラップや声出しなどのエスコートがある曲ではないにもかかわらず、会場ではAメロのリズムに合わせたクラップが自然に起こり、サビでは手を掲げて前後に振る動きをすぐに統一できたりと、BELLSの一体感を感じることができました。

また、配信ライブも含めると”Noise in Silence”がライブで歌われるのは今回で3回目でしたが、回数を重ねるごとに音と音の途切れが目立たなくなり、全体的になめらかで流動的な曲の世界観に合った歌い方になっています。
この点に、このライブに向けた二人の練習の成果を感じ取ることができました。

5曲目:羽化
続いての曲は、メジャーデビュー後2曲目にリリースされた”羽化”でした。
”羽化”は、「盛り上げ曲」が多いVESPERBELLのオリジナル曲の中では珍しく、「曲を聴かせる」に特化した曲であり、ハモりパートが曲のあらゆる部分に散りばめられ、パート振りが非常に細かくなっています。
これによって、めまぐるしく切り替わる二人の歌声と、美しいハモりに聴き入ることができました。

また、「新衣装お披露目ライブ」と同様、サビで蝶が舞う演出によって視覚的にも楽しむことができまいた。

さらに、ラスサビでは二人に仮面が装着されるという、ミステリアスな曲調に合った演出も用意されていました。

6曲目:Trust Me
メジャーデビュー後のリリース曲2曲に続いたのは、メジャー1st EP収録曲である”Trust Me”でした。
二人が語り合うかのように交互にテンポ良く切り替わるパート振りは、ヨミとカスカの対比的な構造を引き立てました。
その一方で、途中のセリフパートでは二人が向き合って歌うことで、「二人で一つ」であることを印象付けました。

”Trust me”は、VESPERBELLのオリジナル曲としては唯一の語りパートがある曲であり、その部分をこのように2人が向き合う形で表現してくれたことについて、ファンとしては非常に嬉しく感じました。
また、1サビ、2サビ、ラスサビと、全てのサビでヨミとカスカの歌声が絶妙に混ざり合うロングトーンが実に心地よく会場に響き渡りました。

以前インタビューでヨミが語っていたように、「対極にいるけれども実は同じ線上に立っている」という二人の歌声の関係性を曲全体を通して表現しました。
7曲目:EX MACHINA
メジャーデビュー後にリリースされた3曲が連続した後、間髪入れずに”EX MACHINA”を歌唱しました。
2021年のリリース以来、根強い人気を誇る”EX MACHINA”をヨミとカスカが歌い始めた瞬間、会場は歓喜の悲鳴に包まれました。
AメロからBメロ、そしてサビにかけて徐々に盛り上がっていく曲調に合わせて、会場はさらなる盛り上がりを見せました。
3曲目に歌唱した”ignition”と同様、”EX MACHINA”に関しても、ハモりを重視して歌唱したことで非常に高い完成度のパフォーマンスを実現していたことが重要なポイントです。
例えば、”EX MACHINA”のMV版や、1stワンマンライブ「RAMPAGE」で歌唱した際には、ハモりパートはBメロとサビ終盤の「折れた翼でも」といった部分のみでしたが、今回はそれに加えてサビのあらゆる部分にハモりパートが用意されていました。

実際に今回の歌唱をMVの”EX MACHINA”と聴き比べると明確ですが、デュエットとしての二人の完成度が格段に上昇していることが分かります。
もはや「全く違う」といっても過言ではなく、このライブに至るまでの間のVESPERBELLのすさまじい努力と成長を感じ取ることができました。
単純なハモりの数に関しては、4周年記念ライブ「Noise in Silence」でも今回と同様でしたが、やはり現地会場で聴く2人のハモりは全くの別物です。

二人の歌唱力によって会場を完全に掌握した、惚れ惚れしてしまうパフォーマンスでした。
MC②
ここで、2度目のMCを挟みました。
「タンクトップで帰れるくらいの熱気にしていく」と言うヨミの高らかな宣言に、マッチョが大好きなカスカは満面の笑みを見せ、観客は大歓声で応えました。

「普段は画面越しにしか居ないBELLSと一体感を感じられて、やはり現地は良い」と話す一方で、「ここからさらにギアを上げていく」という頼もしい一言を残し、次の曲に移りました。

8曲目:RUMBRING MEDLEY
ヨミとカスカの「いくぞ!」という声とともに、”inspire”のイントロが会場を駆け抜けるように響き渡りました。
二人の煽りに合わせて、BELLSも拳を上げ、声を出して応え、一気に会場の熱量が上がりました。
二人が歌い始めたタイミングでBELLSはクラップを始めましたが、ヨミの拳を上げる動作に合わせて再び拳を上げて全力で声を出し始めました。

このように、BELLSを見事にコントロールする姿が目立っており、間違いなくこの日のヨミには挙動一つでファン全員を自在に操る圧倒的スター性が宿っていました。
サビ直前のタイミングでのヨミからの「いくぞ!」という声を合図に、ファンは力いっぱい拳を振り、ヨミの「おい!おい!」に続く形で会場全体にファンの声が響き渡りました。
約1000人を支配するヨミに続いて、カスカも観客を煽り、会場には割れんばかりの声量で満たされました。
ハスキーで心を震わせるヨミの歌声と、まっすぐで心に刺さるようなカスカの歌声。「これぞVESPERBELL」といったかっこよさに、観客は完全に酔いしれました。
最高の盛り上がりの中で曲が進みましたが、1サビ後の間奏で、BELLSにとっては想定外の出来事が起こりました。
通常は、1サビの後に間奏を挟んで2番に入るところでしたが、1サビ終了後に、突然2サビ後のリズムに切り替わったのです。
”inspire”は、2サビ後のCメロがヘドバンパートとなっているため、突然の転調に戸惑いつつも、この時点で反射的にヘドバンに向けて身構えたBELLSも多かったと推測します。

ところが、ここで曲調がまたもや急激に変化し、気付けば”Revelation”のイントロに切り替わっていることに気付かされました。
実はこちらのパートは、VESPERBELLのライブ史上初のメドレーパートなのでした。
まさかの展開となりましたが、すぐさま状況を理解したBELLSによって、曲の切り替わり直後に会場では歓声が上がりました。
会場のボルテージを引き上げた”inspire”からの”Revelation”の美しい世界観と、かなり緩急が激しいメドレーにもかかわらず、抜群の安定感で見事な切り替えを見せたヨミとカスカの表現力と歌唱力はさすがの一言に尽きます。
先ほどまでの、歌唱力で思いっきり殴りつけてくるような力強い歌声から打って変わり、観客を包み込むような優しさに満ちた歌声に全員が聴き入りました。

”Revelation”といえば、曲中の二人の動作がある程度決まっているという、VESPERBELLのオリジナル曲の中では珍しい特徴を有している楽曲です。
例えば、サビでの「ほら顔を上げて さあ」では下から頭上に左手を上げた後で左方向に払う動作を二人で揃える姿が過去のライブでは何度も見られていました。
また、後半のCメロから落ちサビにかけてはヨミとカスカが背中合わせで歌うパフォーマンスももはや定番となっています。
ところが、今回はそのどちらも二人で合わせて行うことはなく、まるで、「私たちの音楽を聴け」というメッセージを伝えるかのように、パフォーマンス抜きの純粋な音楽と煽りでメドレーパートを駆け抜けていきます。
(なお、ヨミはサビでのいつもの腕の動きを今回もさり気なくやってくれていましたが、そういったマメな点はヨミらしさが感じられて非常に良いと思いました)

メドレーは、”Revelation”の後もまだまだ続きます。
メドレー3曲目、ヨミによる「まだまだここからー!」カスカの「盛り上がっていけー!!」という声とともに流れたのは、”Twilight”でした。
”Twilight”のイントロが始まった瞬間に、ステージの背景に青空が映り、会場の雰囲気が一気に明るくなりました。

”Twilight”とは、「黄昏」、「夕暮れ」を意味する英単語ですが、まるで朝日のように澄んだ爽やかさが特徴のこの曲の世界観を体現するかのようなステージ演出、そして二人の伸び伸びとした歌声が実に心地よく、非常に楽しくノることができました。
特に、カスカのよく通る高音がこの曲にピッタリであり、まるで雲間に注いだ一筋の光のように、観客に希望を与えてくれる美しい輝きを放っていました。

一方で、ラストのヨミの「太陽が沈むときまで」の歌声には、まさに夕暮れ時のような静けさや切なさが表現されており、このワンフレーズだけでもヨミの表現力を十分に味わうことができました。
またしても曲が切り替わりました。
メドレーの最後を飾ったのは、”或いは虚空に夢を視る”でした。
アニソンのような疾走感ある爽やかなイントロと、ヨミによる「出し切れよ渋谷ぁ~!!」という煽りによって、会場の熱量が目に見えて上昇しました。

また、冒頭でのカスカの「いくよ~~!」の声掛けは、「RAMPAGE」で”或いは虚空に夢を視る”を歌った時にも行っており、一瞬、当時のカスカの姿と重なって見えて懐かしさを感じました。

Aメロ、Bメロでは流れるような淀みない二人の歌声が会場に響き渡り、サビでは二人の力強さをこれでもかと見せつけるようなパンチ力のある歌声が実に印象的でした。
また、レーザーを駆使したステージ演出の質が非常に高く、ヨミとカスカの歌声を聴いて感動しながら、ステージ演出で視覚的にも非常に大きな感動が得られました。
今回のステージ演出は、「RUMBLING」の完成度の底上げに大きく寄与していたと断言できます。

後半には、ステージに羽が舞うという幻想的な演出のなかで、二人の相性抜群の歌声が見事に混ざり合うハモりはVESPERBELLの魅力を見事に体現していました。
さらに、ラストで披露した2人のハモりはオリジナルの音源には無いものであり、もはや芸術作品と言っても過言ではないほどの美しさを発揮していました。
約8分にも上る、合計4曲のメドレーを歌うのは相当なエネルギーが必要だったはずですが、終始ぶれることなく、安定感抜群の歌声で歌いきったヨミとカスカには脱帽です。
このメドレーの圧倒的な完成度の高さを見るに、ヨミとカスカが相当な練習を積んできたことは想像に難くありません。
その練習の成果を本番でしっかり発揮する二人の勝負強さと、歌唱力の高さ、そしてデュエットとしての完成度の高さが際立つ、非常に素晴らしいメドレーでした。

MC③
怒濤の4曲メドレーを終え、さすがに息が上がっている様子の二人は、ここで3度目のMCを挟みました。
まず、先ほどの”RUMBLING MEDLEY”は、VESPERBELLのメジャー1st EP ”RUMBLING”のリード曲である“Bell Ringer”の作曲を担当したKSUKEさんによって作成されたことが明かされました。

その後、お待ちかねの「このライブをさらに盛り上げてくれるスペシャルゲスト」であるKMNZが紹介されて会場は歓声に包まれました。
VESPERBELLからの紹介の後、ゴウン・・・という機械音が会場に響きました。
直後、スペシャルゲストのKMNZの3名がステージの下から登場し、再び会場は大歓声に包まれました。

可愛らしく片足を上げながら「来ちゃった♪」と言ったLITAを見たヨミが「俺も来たよー!!」と野太い声を出し、そのヨミに後輩のTINAが「うるさい」と言うなど、和気あいあいとした雰囲気が会場を包みました。
(LITAはこの「来ちゃった♪」を、ボイスパでVESPERBELLと3人で”RISE”を歌う前にも同様の動作をしながら言っており、もしかしたらLITAの口癖的なものなのかもしれません。)
非常に良い雰囲気の中、5人はコラボ歌唱に移りました。
9曲目:RISE feat. KMNZ
今回のKMNZとVESPERBELLの2daysワンマンライブが11月に発表されてからのおよそ2ヶ月間にわたり数多くのコラボ企画を開催してきた5人でしたが、一連のコラボはこのステージが最後となります。
その節目のステージで歌う曲として5人が選んだのは、VESPERBELLとBELLSにとって特別な曲である”RISE”でした。
VESPERBELLの初めてのオリジナル曲である”RISE”は、2024年5月に開催されたRK Music初のフェスイベントである「ボイスパ」にて、ヨミ,カスカ,LITAの3名で歌われたことがありましたが、もちろん5人で歌うのは今回が初めてです。
今回は、「ボイスパ」同様にLITAのラップパートがあるのに加え、ボーカルパートの歌詞振りがヨミとカスカにNEROとTINAを加えた4人バージョンとなっており、これまでに無い全く新しい”RISE”となりました。

ヨミの歌唱力と盛り上げは流石ですが、カスカの流れるようなスムーズな歌い方に耳を奪われました。
大好きなKMNZのとコラボということで、カスカ本人の気持ちもかなり乗っていることがよく伝わってきました。
5人での”RISE”を歌いきった後で、KMNZの一人一人から今回のコラボステージの感想コメントがありました。
TINAは、「ロック調の曲はあまり歌わないので、今回歌えてよかった」と、KMNZとVESPERBELLのコラボの意義を改めて強調してくれました。

続いてNEROは、「VESPERBELLにとって大事な曲のRISEを5人で歌えてとても嬉しかった」という、VESPERBELLへのリスペクトが籠ったコメントを残してくれました。

最後にLITAは、「(ボイスパで)最初に歌った時から非常に好評だった。こうして5人でリアルライブの舞台でできたことに熱い気持ちでいっぱい」という、BELLS、HZ全員が首を大きく縦に振って賛同する嬉しいコメントを残してくれました。

VESPERBELLとKMNZの仲の良さを感じさせる暖かい雰囲気の中で、「またライブしましょう」という言葉を交わし、VESPERBELLと観客に見送られながらKMNZはステージから退場していきました。

10曲目:Imperfect
KMNZとのコラボステージを終えた二人が続いて歌ったのは、”Imperfect”でした。
直前までの盛り上がりから一変して、イントロからシリアスな雰囲気が会場を包みましたが、AメロとBメロでサビに向けて盛り上がっていく二人の歌声によって、一度冷静になった観客の気持ちも徐々に熱さを取り戻していきます。

”Imperfect”は「完璧じゃない僕らはいつでも」「足りないならば手を取り合って歌えばいい」といった歌詞など、ヨミとカスカの二人がそろって初めて真価を発揮するVESPERBELLを象徴するような曲です。
ステージでは、ヨミとカスカの頭上に大きく歌詞が映し出されていたことで、歌詞の意味も感じ取りながら二人の歌声に聴き入ることができました。

曲が終わった後の束の間の静寂の中で、「VESPERBELLがヨミとカスカで良かった」と強く思うほどに、ヨミとカスカの存在のありがたさを実感する曲でした。
11曲目:Bell Ringer
メジャー1st EP収録曲の最後に登場したのは、”Bell Ringer”でした。
”Bell Ringer”は、メジャー1st EP ”RUMBLING”のリード曲の位置付けです。
この位置付けの曲を、今回はEP曲の中でも最後に歌うことで、終盤に差し掛かったライブでもう一段ギアを上げようとするVESPERBELLの意思を感じました。
イントロが始まった瞬間に、ヨミとカスカの顔には、新衣装の象徴の一つであるアイマスクが再び装着されました。
直後、スモークとド派手なレーザーによる非常にダイナミックな演出が会場のボルテージを一気に引き上げました。
この最高の雰囲気の中で、一斉に観客の腕が高く掲げられて会場の熱量が桁違いに上昇したことを感じました。

「盛り上げ」という観点では、ヨミがラップパートを音源よりも高い声で歌うことによっても、観客の盛り上がりは大いに促されていました。
盛り上げどころで、こういった分かりやすい合図をしてくれるのは観客として非常に有り難いです。

”Bell Ringer”は、「新衣装お披露目ライブ」でも歌唱されていました。
当時、カスカはこの曲を丁寧に歌うことに注力していたようにも感じましたが、今回は現地ライブであること、そしてカスカ自身がこの曲を歌う練度を向上させたこともあってか、より力強さを増した歌声となっており、カスカの力強さにつられる形で、観客の声、拳の力強さもますます増大したと感じました。
さらに、サビ直前ではカスカが「いくよ~!I’m Bell Ringer!!」という言葉で会場を盛り上げる一幕もあり、サビでの会場の盛り上がりは圧巻でした。

もう1カ所、この曲で盛り上がりが最高潮に達したのは、1サビ後の「旋律は混沌の最中 情熱は渾々と滾って 渦巻いて天に届いていくから」での会場全体の最大級のクラップと、その後のヘドバンパートでした。

ヘドバンパートでは、ヨミとカスカが機材に片足を乗せながらBELLSを煽り、本気のヘドバンを引き出しました。
BELLSを最高に盛り上げるその姿はまさしく鐘を鳴らす者、「Bell Ringer」そのもので、2人が会場の盛り上がりを完全に支配していました。

また、ラスサビ前の「誰も想像できないほどの物語を 僕ら描いていくよ」では二人の高音のハモりが完璧に決まっており、熱狂の渦と化した会場に美しく響き渡りました。
MC④
会場では”Bell Ringer”での熱気が収まりきらない中でしたが、ここでMCが入りました。
このライブも残り2曲となったことが告げられるとともに、ここでは、貴重な現地ライブの機会ということで、二人からお話がありました。
まずはヨミからのコメントです。
「改めて、みんな来てくれてありがとう。ライブ開催にあたって協力して下さった全ての方にも改めて感謝します。
音楽活動をしている私が唯一恩返しできる場所として、ライブという場所を私がどれほど大事にしているか、今回のRUMBLINGで伝えられたと思う。
私たちはVESPERBELLになって5年目を迎えた。メジャーデビューをさせて貰えたり、たくさん後輩ができたりと環境が大きく変わったが、その中でも応援してくれているBELLSや、関わってくれた大好きなクリエイター、私たちを理解してくれるVESPERBELLチーム、そして何より、隣で走り続けてくれているカスカちゃんの暖かさはいつまでも変わらなくて、私がVESPERBELLを続けるうえでの活力になっている。
私たちはこれからも進化していく。音楽の世界を走り続けていきたい。環境も今より変わっていくと思うが、こういった変わらない大切なものがあるから私は活動を頑張れているということを忘れないでほしい。
これからのVESPERBELLもよろしくお願いします!」

ところどころ感極まった様子を見せながらも、まっすぐに感謝の気持ちを語ってくれました。
確かに、活動開始時点からこのライブに至るまで、VESPERBELLを取り巻く環境は大きく変わりました。
その中でも、歩みを止めずに私たちに感動を届けてくれるVESPERBELLにはBELLSとして感謝の気持ちでいっぱいですが、そういったBELLSからの応援がヨミの活力となっているというのはファン冥利に尽きるものです。
また、VESPERBELLチームが非常に良い雰囲気であること、そして、ヨミとカスカの温かい関係性にも触れることができてこちらも非常に心が暖まると同時に、VESPERBELLが末永く幸せに活動を続けられることを願うばかりです。
これからも走り続けるVESPERBELLをBELLSとして引き続き応援していきたいですね。
続いて、カスカからのコメントです。
「まずは、このライブに携わってくれた全ての方に感謝します。
そして、この場に足を運んでくれたみんな、いつもVESPERBELLを応援してくれて、支えてくれて本当にありがとう。
昔から何か一つのことに熱中して本気で頑張ることが苦手で何事も長続きしなかった私だが、音楽という生きがいに出会えて、ヨミちゃんという最高の最強の相方に出会えて、こんなにたくさんの人に愛されて、今日という特別な日を迎えられて本当に幸せだと思っている。
この気持ちを忘れずに、これからもVESPERBELLらしい音楽を皆さんに届けたいと思っている。
これからもVESPERBELLをよろしくお願いします!」

カスカも、こみ上げる感情に言葉を詰まらせながらも感謝の言葉を語ってくれました。
これまでカスカが度々語ってきたことですが、物事を長く続けることが苦手なカスカにとって、VESPERBELLの活動を継続できていることは奇跡的なことのようです。
全力を注いで活動できるVESPERBELLという居場所をカスカが見つけることができたことについては、彼女を応援する立場としても心から嬉しく感じますし、これからもVESPERBELLがカスカにとって大切な居場所であり続けることを心から願っています。
BELLSとしても、このライブでカスカが伝えてくれた気持ちへの感謝を忘れることなく、愛のある応援を心がけていきたいですね。
ヨミとカスカだけでなく、会場の至る所からすすり泣く声が聞こえてきて、会場はしっとりとつつも暖かい雰囲気でしたが、ライブの終わりは着実に近付いています。
「帰りたくない」と2人は名残惜しそうにポツリと呟きながら、最高のライブを締めくくるべく、2人は最後の2曲に入りました。
12曲目:VERSUS
「RUMBLING」のクライマックスに向けて、VESPERBELLが歌唱したのは”VERSUS”でした。
”VERSUS”は、2021年2月に公開された、VESPERBELLにとって2曲目のオリジナル曲です。
先ほどの2人からのコメントでのしっとりした雰囲気のうえでのこの選曲はBELLSにとって実に感動的でした。(現に、今回の「RUMBLING」で感動したポイントとしてMCからの”VERSUS”の流れを挙げたBELLSは非常に多いです

リリース当時、まだチャンネル登録者10万人にも達していなかったVESPERBELLでしたが、約4年後のこのライブまでの間に当時の4倍ほどに登録者を増やし、この最高の現地ライブの会場で歌っているという状況。そして、”VERSUS”の壮大な曲調も相まって、これまでVESPERBELLが”VERSUS”を歌ってきた姿が走馬灯のように脳内で蘇り、懐かしさを伴った暖かい感情に包まれました。

過去のライブより壮大さを増した2人の歌声に加え、サビの「空へ」の2人のロングトーンや、それ以降のサビの部分でのハモりも非常に美しく、曲の重厚感を生み出していました。
さらに、ラスサビでの無数の光の粒によるステージ演出は絶妙で、その中で歌うヨミとカスカを見事に引き立てました。

13曲目:To The World
ライブの最後を飾るのはやはりこの曲、”To The World”です。
1stアルバム”革命”に収録されている”To The World”は、VESPERBELLのオリジナル曲の中でも屈指のエモーショナルな曲です。
前回の現地ワンマンライブ「RAMPAGE」でもラストはこの曲であり、おそらく今後もライブの締め曲として大活躍してくれるはずです。
イントロでの、「みんな、手を挙げてくれ!」というヨミの言葉、そして2人の動きに合わせて、観客全員で挙げた腕を左右に大きく振る「ワイパー」の動作を揃えた瞬間は感動的でした。

それと同時に、ライブがまもなく終わってしまうことを否応なしに自覚せざるを得ず、「このままずっと続いてほしい」というBELLSの切実な想いも強く感じました。

最後までヨミとカスカの歌声は美しく、A,Bメロでの切なさの表現、そしてサビでの強い意志で前に進んでいこうとする力強さの表現に感動し、現地で目頭が熱くなりました。

先ほどのMCでヨミが「これからも音楽の世界で走り抜けていきたい」と言ってくれたように。カスカが「これからもVESPERBELLらしい音楽を皆さんに届けたい」と伝えてくれたように。
VESPERBELLの旅路はこれからも続き、世界に向けて挑み続けていくのでしょう。

そういったメッセージを感じさせる歌声を披露した後で、「ありがとう」という一言を残してヨミとカスカはステージから退場しました。
MC⑤
約3分に渡る観客からのアンコールの後で、ステージから大きな機械音が鳴り響きました。
程なくしてヨミとカスカがステージに再登場し、会場は大歓声に包まれました。

「アンコールということで、少し緩めに話していきたい」として始まったMCのテーマは、『メジャーデビューしてからRUMBLINGまでの振り返りについて』でした。
MCテーマ①メジャーデビューしてからRUMBLINGまでの振り返り
カスカは、「凄く忙しかったけど、充実感が凄かった」とのことで、いつの間にかライブ当日を迎えていたという感覚だったとのことです。
これについてヨミも同意のようで、特に夏場は収録が詰まっており、非常に忙しく過ごしていたことが明かされました。
収録にリハーサルと、詰まりに詰まったスケジュールで既にヨミとカスカの喉は限界に近いようでしたが、その中で過去史上最高の完成度のライブを実現した2人の努力と実力には改めて驚かされます。
「(メジャーデビューして忙しいけれども)これからも頑張っていこう」ということで、MCは次のテーマに移りました。

MCテーマ②2025年の目標や意気込み
続いてのテーマは『2025年の目標や意気込み』についてでした。
これに対して、カスカは「ライブしたい」と即答していました。
一方で、ヨミは「好きな作品の主題歌、挿入歌など、多くの人の耳に入る機会がほしい」と挙げました。
もちろんライブも嬉しいですし、2024年に”羽化”がドラマ「私の死体を探してください。」主題歌となったように、2025年もテレビや映画でVESPERBELLの歌声を聴くことができたら幸せですね。
さらに、プライベートの目標として、カスカは「腹筋を割る。綺麗にボディメイクする」ことを即答していました。
普段から体型に気を遣っており、美に対しての向上心が高いカスカらしい目標ですし、カスカがさらに美しくなれるよう全力で応援していきたいですね。
また、ヨミは「規則正しい生活をする」ことが目標とのことで、健康な一年にしたいと語りました。
趣味のゲームで生活習慣が崩壊することの多いヨミにとって、この目標達成が非常に重要であることは間違いありません。
いつまでも健康に活動を続けていくためにも、ヨミが目標を達成できることを強く願います。

MCテーマ③ライブのセトリ
続いて、『今回のライブのセトリ』に話題が移りました。
ライブのセトリを「よく歌いきったね」と振り返りながらも、「これからも難しいオリジナル曲を歌いきれる歌唱力を身につけるために頑張りたい」という、頼もしいコメントを残してくれました。

MCテーマ④告知(ライブグッズ)
最後に、ライブグッズが発売されていることが改めて告知されました。
ヨミがおすすめグッズとして『ランダム缶バッチ』を挙げており、ヨミとカスカが手がけたシークレットバージョンをぜひ引き当ててほしいとのことでしたした。
さらに、『限定CD』の収録曲はこのライブで歌唱した”RUMBLING MEDLEY”であることも明かされました。
また、KMNZとのコラボTシャツ、ショッパーについても言及されました。

告知を終え、「正真正銘アンコール最後」として2曲歌唱するという宣言の後で、「お前たちの魂聴かせて下さい!」という言葉を残し、いよいよアンコールに突入しました。
アンコール(14曲目):Eclipse
アンコール1曲目は、”Eclipse”でした。
高難易度の曲が立ち並ぶVESPERBELLのオリ曲の中でも”Eclipse”の難易度は頭一つ抜けており、Aメロの低音からサビの高音、ハイテンポの落差が激しく、音程、ブレスの安定感を維持するのが非常に困難です。
加えて、すでに13曲を歌っている満身創痍の状態で”Eclipse”を歌うことの難易度は想像を絶するものですが、それでも非常に高いクオリティでこの曲を歌いきってしまうヨミとカスカの歌唱力は衝撃的でした。
ヨミは音域の広さと安定感を発揮し、圧倒的な実力を見せつけました。
特にサビの高音は、ヨミらしいハスキーな歌声のかっこよさを際立たせるキレキレの歌声が観客の心を掴みました。

”Eclipse”をライブで披露するのは、1stワンマンライブの「RAMPAGE」以来2度目です。
今回の歌声と「RAMPAGE」での歌唱と比較すると、カスカの歌声のレベルが明らかに上がっていました。
高音に特徴のあるカスカとしては、「RAMPAGE」の時には、特にAメロの低音を出すことに難しさを感じているように見えていましたが、「RUMBLING」では低音の安定感が明確に向上しており、今もなお成長し続けていることを実力で示してみせました。

VESPERBELLらしく最初から最後まで圧倒的な歌唱力で殴り続ける、最高の歌声を聴かせてくれました。

アンコール(15曲目):RAMPAGE(KSUKE Remix)
ライブの正真正銘のラストを飾ったのは、”RAMPAGE”でした。
”RAMPAGE”は、VESPERBELLのオリ曲の中では屈指のライブに特化した曲であり、最高の盛り上がりが約束された「VESPERBELLの切り札」とも言える曲です。
最後のMCの終わり、ヨミが「お前たちの魂聴かせて下さい!」と言っていたのは、明らかにこの伏線でした。
間違いなく”RAMPAGE”は全BELLSが待ち望んでいた曲であることから、曲が始まった瞬間、会場は大歓声に包まれました。その中で、曲の最初の「空も地も揺るがすくらいの Raise a shout」で巻舌を使って歌うヨミの歌声に、最後まで全力で盛り上げるという強い意志を感じました。

さらに、今回の”RAMPAGE”は通常の”RAMPAGE”とは異なり、EDMサウンドでより疾走感溢れ、ぶち上がる音源に仕上がっていました。
実はこれは、8曲目に歌われた”RUMBLING MEDLEY”を作成されたKSUKEさんによるアレンジで、この”RAMPAGE(KSUKE Remix)”も、ライブグッズである会場限定のCDに収録されています。
EDMサウンドである以外にも、通常の”RAMPAGE”とは異なり、1番のAメロに入る前に「RAMPAGE!!」が入ることで爆発的に熱量が上がる構成となっています。
これによって会場は、間違いなくこの日最高のボルテージに達しました。

また、サビ前の「準備はOK?」、そしてサビでの「WOW WOW RAMPAGE!」ではBELLS全員で声を出し、VESPERBELLと真正面から気持ちをぶつけ合うことができました。
このようにして、会場の全員で熱狂できる点が、”RAMPAGE”という曲の唯一無二の価値です。

演出も、このライブを最高の形で締めるべく非常に高いレベルに仕上げられていました。
特にサビでのレーザー、ライトが最高に効果的で、”RAMPAGE”という最高に盛り上がる曲のポテンシャルを最大限に引き出していました。

そしてラスサビ前の「全部 全部 Truth」では、ヨミとカスカから「お前らー!愛してるよー!!」という何よりも嬉しい言葉があり、込み上げるものを堪えられなくなるBELLSも間違いなくいたはずです。
この最高の雰囲気の中で、VESPERBELLと一つになって限界まで拳を上げ、そして叫び、全員で最後まで全力を出し切ることができたと感じました。

最後の最後までファンを熱狂させて曲を終えた2人は、「VESPERBELLでした!ばいばーい!!」といういつもの挨拶でVESPERBELL史上最高のライブを締めくくりました。

ステージが暗転し、ヨミとカスカの姿が見えなくなってもなお会場の拍手は止まらず、2人への感謝の歓声や雰囲気でいっぱいの中、ステージのスクリーンにはエンドロールが流れ始めました。
”Bell Ringer”のインストが流れ、様々な関係者の紹介があった後、最後にVESPERBELLのロゴが映されました。
ライブはこれで終了・・・かと思われましたが、VESPERBELLはこれで終わりませんでした。
突如画面が切り替わり、以下のメッセージがスクリーンに映し出されたのです。

なんと、6月にVESPERBELLのワンマンライブが行われることがここで発表されたのでした!
「VESPERBELL 3rd ONE-MAN LIVE」という文字が表示された瞬間、会場は大歓声に包まれました。
「RUMBLING」があまりにも最高のライブだったため、ライブが終わってしまったことで一部BELLSが「RUMBLINGロス」を発症することが懸念されていましたが、次のライブが決まっているのは精神的にかなり大きいです。
次は、6月。
詳細な日程、場所は公開されませんでしたが、来る3rdワンマンという最大の希望を残し、最高の形で2nd ONE-MAN LIVE「RUMBLING」は幕を閉じました。

終わりに
VESPERBELL 2nd ONE-MAN LIVE 「RUMBLING」についてまとめました。
VESPERBELLにとって2回目の現地ライブでしたが、前回の「RAMPAGE」と比較しても格段にレベルアップしたライブとなりました。
ヨミとカスカ個々の歌唱力、安定感いずれも過去にないレベルにまで引き上げられており、シンガーとして2人がまた1段高いステージに上ったことを印象付けました。
それに加え、ハモりの完成度の高さも今までのライブと比較してずば抜けており、圧巻の歌唱力でメジャーアーティストとしての実力を遺憾無く発揮しました。
さらに、観客への煽りもしっかりと作り込まれており、ファンの盛り上がりを自在に操るその姿はトップアーティストそのものでした。
そして、超巨大スクリーン、レーザーなどを効果的に使った演出のクオリティも凄まじく、その中心で歌うヨミとカスカは間違いなく今までで一番美しく輝いていました。
歌、煽り、セトリ、演出。あらゆる要素において、このライブに掛けるVESPERBELLの思いの強さ、そして計り知れないほどに練習に練習を重ねたことが伝わってきた今回のライブは、間違いなくVESPERBELL史上最高のパフォーマンスであり、私はこの現場に立ち会えたことが幸せであると同時に、BELLSであることを誇りに思いました。
この記事を執筆するにあたり、私は現地でライブを観た後に、アーカイブを何度も、何度も繰り返し視聴しました。
アーカイブだけでも、ヨミとカスカの素晴らしい歌声、現地の盛り上がり、そして圧巻のステージ演出が伝わってくるのは間違いありません。
ですが、同じライブでもやはり現地と配信では全くの別物です。
現地の熱量は、現地でしか伝わりません。
ヨミとカスカが目の前にいるという事実。そして2人が歌と声をこちらに全力で伝えてくれる喜び。観客全員の熱い心で2人に応える会場の一体感。
VESPERBELLとBELLSの熱い想いがぶつかり合う光景は非常に美しく、心が熱く滾り、一生モノの思い出として胸に刻み込まれること間違いありません。
ライブだけでなく、普段のカバー動画や配信も含め、特にメジャーデビュー以降のVESPERBELLは日に日にプロとしての貫禄が増すばかりです。
5年前、「ガチ歌系」として誕生したVESPERBELLは日々着実に成長し、遂に1000人を熱狂させるライブを大成功させるまでに大きくなりました。
VESPERBELLは今もなお成長して日々最高を更新し続けており、これから2人はより大きな舞台で活躍していくはずです。
「今のVESPERBELL」には、今しか会えないということです。
そんなVESPERBELLを最も近くに感じることができるのは、現地ライブにほかなりません。
今回、現地参加された方に改めてお伝えする必要は無いと思いますが、RUMBLINGを配信で視聴された方、そして、今VESPERBELLに興味があってここまで記事を読んでくださった方。
次のライブは現地で楽しみませんか?
ヨミとカスカは、私たちが想像できない程の素晴らしい景色を見せてくれます。
それを現地で目の当たりにできることによる感動は何にも代えがたいものです。
私は、少しでも多くの方にこの感動を味わっていただきたいです。
次のVESPERBELLの現地ライブでは、この記事を読んでくださった方が一人でも多く、現地での感動を味わえることを心より願っています。
ozataro
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